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腰紐つき腹巻 |
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お腹の弱い方や子供に重宝する暖かい腹巻の作り方を解説します。 |
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腹巻。和英辞典を引くと、belly band などと出ていますが、しかしこの言葉で日本の腹巻のイメージが英語ネイティブの人に一発で通じるか、極めて疑わしいような気がします。インターネットで belly band を探すと、出てくるのはは室内犬用のものとか、特別な疾患の方用の医療用器具ばかりです。(保温目的のみではなく、脊椎の保護ベルトも含まれているようです。) それ以外では、書籍の帯や、お札の帯封が見つかります。コレは、ちょっと違うのでは?
外国人が日本に来て、日本人のマスク姿に驚くと聞きますが、同じように腹巻をしている人は消化器系の病人というような感じに見られるのかもしれませんね〜。そういえば昔、英会話学校の先生に、「日本人は胃腸が弱いのか?」というような質問をされたことがあるのですが、もしかするとあの先生は日本人の腹巻からそのような印象を受けたのかもしれません。しかし、まぁこれは文化の違いですから、せいぜい驚いていただいていいでしょう。(笑) とはいえ、このページの英語バージョンでは、belly band は日本ではポピュラーな保温用下着であるという注釈は入れておく必要がありそうですが...。(いや、ポピュラーと言い切ってよいのやら?)
さて、この「純和風」ニットウェアを編むのならやっぱり「和調」は外せないところですね。普通、腹巻というとどうしても暗い配色のものが多いようですので、今回は思い切って明るく華やかな和調の配色にしてみました。その結果、まるで祝い袋のような楽しい腹巻になりました。御懐妊祝・出産祝・誕生祝・還暦のお祝いなど、祝い事ならこれにおまかせ!です。(笑)
この腹巻の最大の特徴である「腰紐」ですが、この効果は抜群で、腹巻が完全にお腹にフィットします。普通腹巻は、ずれてくるのを防ぐためステテコの内側に入れたりしていることが多いようですが、紐を使うとパジャマの上などに着用しても歩いているうちにずれてくることがありません。横になったときに紐がごろごろしそうですが、ウールの紐は意外にソフトで、そんなに邪魔になりません。
使用糸
メーカー | Debbie Bliss |
糸名 | merino DK |
素材 | メリノウール100% |
重量・長さ | 50g 110m |
色番号 | 101(生成り), 609(オレンジ), 501(黄緑) |
使用重量 | 70g(生成り), 10g(オレンジ), 10g(黄緑) |
使用糸は、デビーブリス糸のメリノDKです。この毛糸は、メリノウール100%で非常に肌触りが柔らかく、ちくちくした感じはまったくありません。よほど肌が弱いか、ウールが苦手という方でない限り、下着として肌に密着する場所に使っても大丈夫かと思います。ただし、絶対に大丈夫という保証はできませんので、それぞれの判断で毛糸を選んでください。
使用編針
6号針を使っています。ゲージは伸びゲージで、26目×26段です。
編図と編み方
編地には伸縮性がありますから、厳密な目数を計算する必要はありません。このサイズはウエスト60センチ程度で計算していますが、仮に70センチでも大丈夫と思います。子供用など、まったく違ったサイズにしたい場合は、スワッチを編み、少し左右に引っ張りながらゲージをとり、(伸びゲージ)着用者のウェストサイズに合わせて目数を計算します。
ときどき、ゲージをとって目数を計算する習慣がなく、本に書いてあるとおりの目数をそのまま編むという人がいるようですが、腹巻の場合は目数以外の計算がありませんから、ぜひ一度自分で必要な目数を計算してみることをお勧めします。もちろん、二目ゴム編みの場合は、全体の目数が4で割り切れる数にしなければいけません。
腹巻の場合、輪編みをするだけですから、技法的には難しいところはありません。輪編みの編み方を参考にしてください。色を変えるところで、ストライプが乱れないようにしたい場合は、色を変えた最初の段だけゴム編みではなく、メリヤス編みにしてください。
私たちは二目ゴム編みにしましたが、もちろん一目ゴム編みでもかまいません。
作り目は、指でかける作り目、最後は普通にゴム編みをしながら伏せ止めをします。ただし、腹巻はヒップを通るときに十分に伸びる必要がありますので、作り目も伏せ止めも緩くするように注意してください。
三色メリヤス紐の作り方
この三色メリヤス紐は作るのにとても時間がかかります。オマケと見ていると嫌気がさしてくるかもしれません。本体と同じくらいの時間がかかるものと覚悟して(笑)始めましょう。
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必ず両方が針になっている棒針を使って、5目の作り目をします。作り目ができたら、棒針を矢印の方向に移動させ、反対側から別の色の糸をつけて、作り目の上に表編みを編みます。
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このようになります。向かって右が糸端で、左が糸玉になっているはずです。もう一度、針を矢印方向に移動させ反対側に3色目の糸をつけて、表編みを編みます。
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このようになります。また、棒針を矢印の方に移動させて、反対側から編みます。
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2段目(白)と3段目(緑)の糸を左へ流し、その下から作り目の糸(赤)を取って、4段目を編みます。編み終わったら針をまた反対側に移動させ、同様に編みます。つまり、赤と緑の糸を左へ流し、その下から白い糸を取って右側から編みます。以下、これの繰り返しです。編み始めの時点で、目が緩まないように糸を思い切り引き締めてください。また、編み終わりは一つ下の段の目が緩んでいることがありますので、チェックして引き締めてください。編んでいるうちに、糸がぐるぐる巻きに絡まりますので、時々ほどく必要があるでしょう。綺麗に編むためのコツをつかむまでには少し時間がかかるかもしれません。編みあがりはコイルのように巻きくせがあるので、アイロンの蒸気をあててまっすぐに伸ばします。
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紐通しの作り方は、後日アップいたします。
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