3.準備
姿勢
姿勢を大事にしましょう。間違った姿勢で長い間編み物をすると体に障害がでる可能性があります。背中を曲げないで伸ばし、頭は前のめりにならないように注意します。初心者は編目を見ようと手を鼻先に持ってきたり、猫背になったりするので背中が痛くなることが多いようです。また、肩こりに悩む人もいます。肩こりは、いろいろな原因があるので乱暴なことはいえませんが、次にあるように照明を工夫することと、よい肘つき椅子を
使うこと、また、手をあまり上に上げないでヘソのあたりで編むと緩和されることがあります。私は以前コタツで編んでいたときは肩こりを経験しましたが、肘つきのダイニングチャアを購入して、そこで編み始めてからずっと良くなりました。
構え
構えは重要な要素です。間違った構えでは上達しないし、手指に障害を起こしやくなります。
人間の腕は基本的に内側を向いています。「気をつけ」の姿勢をしたときに手のひらは体の方を向いています。そのまま腕を前に持ってくるとはり
手のひらは内側を向いているはずです。両手の人差し指を伸ばして交差させると手のひらは内側を向いたまま指が交差します。また横からみると指は前の方が少し上がった状態になります。このような自然な角度を保つことが大切です。難しいことはありません。自然な構えは体が知っています。手のひらを内側に絞ったり、外側に開いたりするような不自然さが感じられるような状態を長く続けると手に障害がでる恐れがあります。とくに手を大きく回転させるのは手や肘に負担を与えます。例えば野球でカーブを投げるときは、手を外側に大きく回転させますが、この動きのために肘に障害がでるおそれがあるので、多くの少年野球ではカーブを投げることを禁止しています。
ともかく構えたときに、指・肘・肩に無理がなく、リラックスした感じになり、それが持続するようにしましょう。編み物には長い歴史があります。
その長い時間に磨かれた技術で、不自然な手の動きが必要なところは一点もありません。もし、自分の手の動きに不自然なものを感じるなら、編み方がおかしいと考えて間違いないでしょう。
照明
最低でも新聞を読める程度の明るさは必要です。毛糸の繊維がよく見えるように十分な照明を用意するだけで編目が綺麗に揃うこともあります。私は普段、夜にペンダントライトの下で編み物をしていますが、日中明るい窓辺に椅子を持っていって自然光で編むと、非常に編みやすいのに驚きます。照明は大事にしましょう。学習スタンドなどを併用してでも照度を確保することが大事です。特に暗い色の毛糸を使う場合は普段よりも明るくするように心掛けましょう。目を悪くすることがあります。
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