実践編 1 準備と作成手順の確認
それでは、マフラーを作成する前に必要な道具を確認します。
1 毛糸
極太毛糸を使用します。メーカーは問いません。好きな色を選んでください。
2 編み針
今回は11号を使っていますが、9〜13号のものをお持ちならあえて買いなおす必要はありません。写真のものは玉付針ですが、2本針・4本針の片側に編み止めキャップをつけたものでも構いません。
3 かぎ針
今回は8号を用意しました。フリンジをつける場合は10号くらいの大きいものが便利ですが、それだけのために買う必要はありません。
4 はさみ
切れるもの(笑)であれば事務用のもので十分です。手芸用のものを買う必要はありません。
5 とじ針
糸始末をしたり、ポンポンをつけたりするのに必要です。細い毛糸刺繍用のものではなく、太いとじ針を使います。
6 ポンポン用厚紙
端飾りのポンポンをつける場合に用意します。ポンポンをつけるときに作れば結構です。
7 フリンジ用ダンボール
端飾りのフリンジをつける場合に用意します。フリンジをつけるときに作れば結構です。
完成作品と作る順序
1 作り目
編み始めの1段目を編み針に作ることを作り目といいます。作り目にはいろいろな手法がありますが、今回説明するのは、最も一般的な「指で掛ける作り目」です。
2 ガーター編み
2段目以降、「ガーター編み」を編んでいきます。「ガーター編み」というのは棒針編みのうち最も簡単な編み方です。棒針編みの基本は「メリヤス編み」です。ごく普通のセーターは「メリヤス編み」で編まれています。セーターの場合、ひっくり返して見ると表と裏とで編地の感じが違っていることに気づくと思います。「メリヤス編み」は表裏のある編み方です。編んだとき、手前にメリヤスの表目ができる編み方を「表編み」と言います。逆に手前にメリヤスの裏目ができる編み方を「裏編み」と言います。棒針編みにはこの2手法しかないといってよいほど、この2つの技法は重要です。ありとあらゆる編地は結局のところこの2つの編み方の組み合わせ・応用なのです。ガーター編みはその中で「表編み」だけで編める唯一の編み方です。つまり、表編みしかできない人はガーター編み以外は編めないのです。
手編みの場合、1段ごとに編地を返しながら編んでいきます。したがって、常に表編みを編んでいくと、編地の片側から見た場合、表編みの段と裏編みの段が交互に現れます。これがガーター編みです。ですから、ガーター編みは両側とも同じ雰囲気の編地になります。普通の「メリヤス編み」をする場合は1段ごとに「表編み」と「裏編み」を編むことになります。そうすると片側は表目ばかり、反対側は裏目ばかりとなります。これが「メリヤス編み」です。
「表編み」と「裏編み」はテニスや卓球の「フォアハンド」と「バックハンド」に似ています。表編みは「フォアハンド」に相当し、右(向こう)から左(手前)に糸をかけます。裏編みは逆に左(手前)から右(向こう)に糸をかけます(右利きを基準に書いています)。実は普通の人にとって、「表編み」より「裏編み」のほうが難しいのです(テニスでもたまにバックハンドのほうが得意という人がいますから、編み物でも一概にはいえませんが)。まず、ガーター編みで表編みに慣れて、それから裏編みに挑戦するほうがいいだろうという意味で、「初めてのマフラー」はガーター編みを選んでいます。
【注意】ガーター編みは表編みだけで編める初心者向けの編み方ですが、一方で綺麗に編むのが難しい編み方でもあります。編み物の腕自慢の方でも、ガーター編みが汚いと悩む人がいるくらいですから、本当の初心者では、まず綺麗には編めません。ですから、編地が汚くなっても最初はしようがないので、あまり落ち込まないで進んでください。なんでしたら、「ガーター編みでなくてガタガタ編みになってしまった...」という使い古されたギャグでもかまして、どんどん編んでください。そのうち上手に編めるようになりますから。
3 伏せ止め
編み終わりを止める方法もいろいろありますが、ここでは最も一般的な「伏せ止め」を解説します。「伏せ止め」はセーターなどを作る際にも頻繁に使われる技法です。
4 端飾り
伏せ止めをしたままでも、マフラーとして完成ですが、両端に端飾りをつけることができます。ここでは、フリンジという長い毛糸をつけるのと、ポンポンという毛糸の玉をつける、二種類を紹介します。実は私たちはマフラーにフリンジやポンポンをつけたことがありませんでした。今回、この企画のために初めて付けてみました。フリンジは編み物が苦手な方がマフラーの長さを稼ぐには最適です。プレゼントで、もう編む時間があまりないという方、あるいは単に面倒な方、長めのフリンジをつけると編む長さがその分短くなります。
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