カリスマ・ニッター「エリザベス・ジマーマン」

日本のニッターで最もカリスマ性を持っている人物と言えば、ニット界の貴公子こと、広瀬光治先生をおいて他にないでしょう。(もちろん、デザインの好みはそれぞれでしょうが、カリスマ性においては追随を許さないものがあります。)

それでは世界では?う〜ん。これは意見が分かれるところでしょうね。ケイフ・ファセットをあげる人もいるでしょうし、メアリー・トーマスやバーバラ・G・ウォーカーも影響力のある本を出版していますので、熱烈なファンがいます。アリス・スターモアも相変わらず人気があります。(ただ、最近書かれた彼女の本は、以前の本から感じられる勢いみたいなものが少し失われているような気はしますが・・・)。デザイン性で言えば、アナベル・フォックスのセンスなども相当なものと思います。しかし、カリスマ性ということなら、やはりアメリカのエリザベス・ジマーマンでしょうか…。なにしろ、掲示板などで、Elizabeth Zimmermann とフルに書かなくても、いきなりイニシャルのEZだけで通用するのです。(もしかしたら正しい綴りが書けないだけかもしれませんが(笑)…。)

人気の一端をうかがわせるものとして、Soxersというクラブ(いや〜またしても靴下ですが)が、ホームページに彼女の写真を楕円形に枠どって掲げ、その下に自分達が作った彼女の作品を載せています。ページのタイトルが「エリザベス・ジマーマンへの賛辞」(http://www.angelfire.com/ca3/Soxers/EZ.html” デッドリンク)。しかも、その賛辞というのがこうです。

ニット探訪を始めた矢先に、私はエリザベス・ジマーマンを発見するという幸運を得ました。彼女の著作「涙なしの編物」を目にした瞬間、私は自分が編物の指導者を見出したことを知りました。彼女の編物に対する真摯な取り組みと、快活なユーモアのセンスは、編物だけではなく私の人生観に決定的な影響を与えました。彼女の編物業界への寄与は、世界中の数え切れないほど多くのニッターに影響を与え、消し去ることのできない痕跡を我々の心に残しました。

なんか、目がウルルン状態になっているような入れ込み方です。

しかし、このページの写真をみると分かるように、このお婆さん、やたらにカッチョイイ。こんな知的なおばあさんになってみたいと思うのも分からないでもないですね。いや、実は私達もちょっと憧れていたりするのですが。

しかしここまで人気があると、一方で反発もあるようで、あるサイトで上の賛辞に出てくる本のレビューを見てみると☆5個が大部分で、絶賛といっていい中、☆1個をつけている次のようなものもありました。このレビューは、上記のようなファンの存在を知っていないとピンとこないたぐいのものでしょう。

すみません。私はこの本に何も感じませんでした。
私はよく自分がEZファンでない、ニット界でただ一人の人間なのかと思うことがあります。この本は私に何も与えませんでした。(中略)私はまた、この女性のまわりで増幅するカルト的追随者たちを嫌っています。彼女の娘はそれを不朽のものとしてきました。私はこの本を買いましたが、私の編物に影響を与えませんでした。

こちらの記事も人気です