次のコンテンツのテーマは「靴下」です

次のコンテンツは、靴下をテーマにしようと思っています(仮題も決まっていませんが)。マフラーと帽子も大変でした(しかもまだ終わっていません)が、靴下はまた大物コンテンツで、悩まされています。私たちは、靴下など何の問題もなく編めると思っていましたが、よく調べてみると試したことのない技法もたくさんあり、また細かな部分でどのようにするのがよいか、詰めきれていないところもあります。一度それなりに編めるとなんとなく、同じような方法で編んだりしてしまいますが、「本当にそれでいいのか?」と考え出すと、実は知らない事は意外に多いものなんだなぁと思い知らされます。

特に「踵」は、日本では引き返し編み一辺倒という感じで、色々本を探したのですが、引き返し編み以外の踵の編み方を解説してある本はほとんど見かけません。ところが、この引き返し編みの踵は世界的に見ると決して一般的な技法ではありません。靴下編みの一大勢力となっているアメリカで、踵の編み方をまとめている研究がありますが、これを読むと踵の三大技法とでも呼べるのは、(1) Heel-flap-and-gusset (2) Short-row[これが引き返し編み] (3)Peasant-style です。そして、もっとも一般的なのは、(1) であると記述されています。(2)は「商業製品に良く似る」という意味のコメントがありますが、それほど多くの文章はさかれていません。実は、(1)の技法はさらに(a) common heel (b) shaped common heel (c)Balbriggan heel (d)half-handerchief heel (e)Dutch heel などに細分されます。おそらく実際はもっと種類があるでしょう。
引き返し編み技法の問題は、(1)初心者にはとても難しい、(2)模様などのアレンジが困難、の二つでどちらもかなり致命的に見えます。なによりも、引き返しの編み減らしと編み増しを「徹底図解!?」しようとすれば、恐ろしいことになりそうです。しかも、どうしても引き返し部分の目が開いてしまいがちで、奇麗に編むのは本当に難しい。そのうえ、引き返し編みにも、(1) yarn over (2) weave (3)pick up の3技法があります。そのどれを説明すればいいか、これも決められません〜。

そんなこんなで、今は色々な技法を模索中です。さらに技法だけではなく、靴下編みの魅力を伝えられるような作品を作ったり、構成を考えたりしたいので、今までにない困難があります。右の写真のスワッチや試作品を見ていただければ、いかにとっちらかってしまっているか、分かっていただけるかもしれません〜。妙な形のものは、全部「踵」の試し編みです〜。

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