タスマニアウールのブラックアルパカ!

Woollies けいと大好き、を主宰されている菅野さんより、ご厚意で新しい毛糸を少し分けていただきました。この毛糸はサンプルとして取り寄せたもので、現時点で販売は未定ということです。実際に編んで、洗って、着心地などに問題がないか、確かめてから販売するかどうか考えたいとおっしゃっていましたが、実に細かい気配りをされているなぁと感心しました。しかし、これらの糸も私たちが見る限りでは本当に素晴らしいものでした。写真左より、50%脱脂の手紡ぎ糸、ブラックアルパカ8-ply,ブラックアルパカ5-ply,コリデール、です。いずれも未染色の毛糸です。

50%脱脂の手紡ぎ糸は、超極太くらいの太さですが、手紡ぎの素朴な味わいがたまらない魅力です。この糸は紙の上に置くと染みてくるほど脂分が残っています。糸玉を嗅ぐと、脂の香りがします。クレヨンのような、昔怪我をしたときにガーゼの上からあてた油紙のような、パラフィン粘土のような、そんな香りです。ざっくりとした帽子やカウチンのような(日本でよく見かけるカウチンセーターは好きではありませんが)野生的なセーターがぴったりです。

ブラックアルパカは、黒というよりもとても濃いセピア色という感じの色で、ところどころに白い繊維が微妙なツィードのように撚り込まれています。紡績機内で別の羊の毛が混入したとも考えられますが、おそらくアルパカ自身のものではないかと思います。アルパカ100%糸なので少し糸は重めです。指で糸をつまむとしっかりとした芯が感じられます。しかし、手触りはアルパカ特有の滑らかさがあります。日本に輸入されているアルパカ糸はウールが混紡されていたり、糸の感覚もどちらかというとフェミニンな感じのものが多いのですが、この毛糸はとても野趣に富んでいて本当に不思議な魅力があります。この毛糸は健康な動物の香りがします。この香りを嗅いだとき、なぜかとても懐かしい気持ちになったので、ゆっくり記憶をたぐってみると、子供の頃の毛布の匂いにたどりつきました。毛布を被って窓辺で昼寝をしていると、冬の陽射しに暖められた毛布からむせ返るようなウールの香りがたち、うつらうつらしながら太陽の匂いがすると思ったというような記憶ありませんか?この糸玉は懐かしい昔の香りがします。(なぜか最近のウールは動物臭くないですよね?)

0107012-s.jpg今日はとりあえず、コリデール種のオフホワイト糸のスワッチを編んでみました。メリノ種に比べると、一見ノーマルなウールのように見えます。色も、輝くほどのメリノに比べるとやや黄色が感じられます。しかし、編んでみると最初の一目で、その滑らかな感触に驚きました。指でかける作り目をするとき、糸と糸がこすれ合うのがとてもスムーズで、目が作りやすいのです。何の模様を編もうかと思いましたが、この糸を見たらやっぱりアラン模様でしょう。生なり色のアランセーターはあまりにもありふれているような気がしたのですが、スワッチしてみたら、う〜ん。模様の立体感といい、編地の艶といい、肌触りといい、素晴らしいアランになりました。もうこれで、すぐにも一着作ってみたくなりましたね〜。次は交差と掛け目を組み合わせたような模様のスワッチを編んでみようかな〜と思っています。しかし、まだ一着分売っていただけるかどうか分からないんですよね〜。う〜、つ、辛い〜。

左のスワッチは、交差は2:1と2:2との組み合わせで、中の模様は1目かのこ模様とねじり1目ゴム編です。

こちらの記事も人気です