「ハンドニットソックス」で空前の編物ブーム!という妄想をしてみる

「手作り」というのは文字どおり人間の手で何かを作り出すことですが、現代では「手作り」という言葉を使うとき、必ずその反語として「機械製=量産品」が隠されていて、その影響を考えずに「手作り」という言葉を使うことはできません。さらに、手編みのセーターなどの衣服を着るというのは、単純な「手作り」という以上のインパクトのある行為ではないかと思っています。大袈裟に言えば大胆かつアナーキーな行為ではないかと。それは要するに、「ほかのどこにもない服」を着るという行為ですから、これほど大多数の人が既成服を着ている社会では、相当に勇気のいることかもしれません。特に日本ではほんのちょっとした差に敏感ですから、下手に子供に手作りの服を着せたりすると、いじめの理由にならないとも限りません。

今、私たちは靴下のデザインを考えているのですが、これで連想されるのはやはりルーズソックスです。ほとんどのファッションが海外や企業発となっている状況で、この日本特有の流行は、やはり日本の学生が制服という「秩序」に締め付けられていることが根底にあるのでしょう。しかし、当初はだらしない、アナーキーと思われたファッションが今では逆に学生のアイデンティティとして制服化しているのは、なんとなく苦笑を禁じ得ません。

本当に秩序に対して物申したいのなら、やっぱりルーズソックスの次は、「ハンドニットソックス」ではないでしょうか。女子高生がみな手編み靴下を履くようになれば、日本はおそらく空前の編物ブームに沸き返ることでしょう。電車に乗っても、公園のベンチに行っても、どこもかしこも手編みする人、人、人。いや、これは手編み愛好家の見果てぬ夢かもしれませんね〜。いやいや、流行の仕掛け人を自認する人がここを読んでいて、どうブレイクするかもわかりませんよ〜。あぁ、これはもっと可能性のない夢想ですねぇ。

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