「嶋田俊之・編針おしごと展」に行ってきました。

「嶋田俊之・編針おしごと展」に行ってきました。去年シェーラの展示会に行ったときに、嶋田さんのフェアアイルセーターとシェットランドレースを見て感心して以来、一度ゆっくり見てみたいと思っていたのです。去年は、ちょうど嶋田さんがおられない日に展示会に行ったのですが、今年は幸いゆっくりお話をさせていただける機会がありました。

嶋田さんは、とてもスリムでピアニストと言われたらなるほど、というような繊細な雰囲気の方でした。お手持ちの糸を見せていただいたのですが、シェットランドで買ったと言う手紡ぎのレース糸には驚きました。一握りで9千円というレース糸は自然なウールの生なり色で、ミシン糸のように細いものでした。こんな細い糸を均一に手紡ぎするというのはどういう技なんだろうと言葉を失ってしまいます。嶋田さんも「もったいなくて編めません」とおっしゃっていました。この糸と見比べると市販の「蜘蛛の巣」レース糸がものすごく太い糸に見えてしまいます。

写真のテーブルの上においてあるのは、シェットランドのナチュラルカラーの手紡ぎ糸を使って編まれた、とても手の込んだ作品です。これには値札はありませんでした。入念に編み込まれた模様も、裏をめくったときの糸始末も極めて丁寧に仕上げられていて、ものすごい作品です。去年、佐藤ちひろさんの展示会に現地のニッターが編んだ手紡ぎ糸のカーディガンがありましたが、この嶋田さんの作品は入魂のレベルが違うという感じです。本当に素晴らしい作品でした。

後ろの棚においてある帽子が、また可愛くてこれは欲しい!値段も1万円以下。ですが、2日目というのに帽子は売約済みで残りが少ないよ〜。(写真の赤札見てください。)幸い、一つ気に入ったのが残っていたので買いました。展示会が終わったら送ってもらう予定ですので、後日写真をアップします。行くつもりの人は急いだほうがいいですよ。私たちも次の機会があれば初日に行こうと思っています。いいなと思ったバッグ類が完売で本当に悔しいです。(ここを読んでほくそえんでいる人がいるかもしれませんねぇ〜。)

嶋田さんの作品は色使いが日本人離れしていると思っていたのですが、ヨーロッパに長く住んでいたとのことで、納得、という感じです。ケイフファセットと意気投合したとおっしゃっていました。ナチュラルヤーンがお好きとのことで、これは私たちと同じ嗜好ですが、カラフルな作品も素晴らしいです。私たちも怪しいくらいじろじろ見回しました。

驚いたのは、なんとサンカ手袋があったことです。黒白ではなく赤白ですが、まぎれもないサンカ手袋です。話を聞くと(あまり詳しくは書けないのですが)私たちを含めたいろいろな情報の流れが感じられて、本当に面白かったです。パターンは11×11でなく9×9にアレンジされていましたが、シェットランドヤーンのサンカはとても味がありました。写真をねだったのですが、あまり出来栄えが気に入らないということで、お許しはいただけませんでした。

011123-2.jpg嶋田さんたちスタッフの編物にかける愛情を感じたのは、手作りの糸見本帳です。私たちも買ったのですが、一本一本の糸を色番号を手書きしたタグに通してから、カードホルダーに通すという手間のかかる作りになっています。「この方が手触りも分かるし、ばらして色合わせもできるでしょ?」とおっしゃっていました。たしかにそうですが、これは面倒ですね〜。しかも、嶋田さんは毛糸の販売を仕事にしているというのではなく、輸入代行のような形で、全然もうからないはずなのに、その注文のためにこんなものを作るというのは、感心してしまいました。

伝統ニットを基調とした骨太なデザインと軽妙な配色をあわせ持った島田さんのニット作品は、これからもっともっと人気が出てきそうな予感がします。実際、一人のスタッフの方も私たちと同じく、去年のシェーラの展示会の作品をみてから感動してスタッフになったとおっしゃっていましたし、ファンの輪は確実に広がっているのではないでしょうか。

011123.gif嶋田俊之・編針おしごと展

シェットランド毛糸 – フェアアイル・ニットとその仲間たち

2001年11月22日(木)〜28日(水)
11:00〜20:00
最終日は18:00まで、26日(月)はおやすみ

ブルパンキーノ(Blu Panchino) 神戸市中央区加納町3-11-2 4Fギャラリー
TEL: 078-230-7366
(1階は「和」のアンティーク屋さんです)

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