編物雑誌の「結晶化の法則」

以前、「ネットアイドルちゆ14歳」というサイトをとりあげて、私達のサイトの読者で、ここを読んでいる人はいないのではないかというような話を書いたことがあるのですが、しばらくしてから一人の方から「両方、愛読しています」というメールをいただきました。しかし、私達のホームページと、今日の必ずトクする一言を両方愛読しているという人はさすがにいないかもしれません。あまりに傾向が違いすぎるように思います。このサイトの趣味の雑誌の寿命のナゾという記事(1997.7.18)を読むと、理工学系雑誌が生まれ、マス化し、そして「結晶化」する過程が短い文章で端的に表現されていて笑えてしまいます。この記事によると、雑誌の最終段階は、「また読者は高齢化し数が激減するが、高齢化した読者で初めて実現する経済的、時間的余裕のため、なかなか廃刊にならない。結晶化が徹底した雑誌ほど少数ながら忠実な読者をキープし、ますます結晶化が進行、徹底していく。」と表現されています。

さて、この「結晶化の法則」は我らが編物雑誌にも当てはまるのでしょうか?私達の見立てでは、いまだに「結晶化」した編物雑誌はないのではないか思います。「毛糸だま」にしても、例えば特殊な地方の変わった編物とか、これ以上難しい技法はないという作品ばかり、というような「結晶化」した記事はあまりありません。高齢化の度合いだけは決して負けてはいないと思うのですが(笑)。ということで、この「趣味の雑誌の寿命のナゾ」は、「男性系」あるいは「理系」という修飾をつけないと正確ではなさそうです。編物雑誌の終わりというのは、糸玉の形がほどけてなくなるようにもっとあっさりしたものではないか(なかったか)というように思います。

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