シンプルなツインニットの、ウールコットンのカーディガンの電脳編図ができました。

シンプルなツインニットの、ウールコットンのカーディガンの電脳編図ができました。長らくお待たせしました。幸い、今週はまだ夏日の日が多いとのことですので、木枯らしが吹くまでにはまだ少し時間がありますね。どうぞ、お楽しみください。

妹尾河童さんの「少年H」(新潮文庫)は、妹尾さんの子供の頃の自叙伝ですが、なぜ妹尾さんが「H」と呼ばれるようになったかということが本の始めに書かれています。その理由は、お母さんが胸に、H.SENO と編み込んだセーターを着せられていたのですが、名前を他の人から呼ばれるのが嫌で、せめて「H」だけにして欲しいと頼み込んだため、ということです。本に掲載されている学級写真を見ると、細かいゲージでローマン体の文字を編み込みしたセーターは、今から見てもおしゃれな感じがします。表紙写真の、Hを編みこんだセーターは、上からレタッチが施されているようで、ちょっと「?」ですが、適当な写真が残っていなかったせいかもしれません。

母親はセーターのできばえに得意そうだったらしいのですが、本人は「かなり参っていた。」ということです。今、子供に力作のセーターを着せているお母さんも、あとでどのように振り返られるか、知れたものではありませんよ(笑)。

妹尾河童さんは、子供の頃からとても好奇心が強かったようで、食べてはいけないというものを食べてよく下痢をしていたと、この本で書いてありましたが、後に「河童が覗いたインド」(新潮文庫)でも、全く同じ行動を取っていて、子供の頃から同じだったのかと、おかしくなります。

「河童が覗いたインド」では、高さ50メートルもある塔の上に出るシーンがあって、人事ながら脇の下から汗が出てきます。

さて下界へ降りようと、屋根の稜線をそろそろと蟹の横ばいで、四角い井戸のような出入口の穴に近づく。ところが、辿りついた穴から登ってくる人が顔を出し、なかなか降りられない。その人とぼくが、屋根の上で入れ代わるしかない。ただし座ったままでの交替は無理だ。「こんな場所に立つなんて嫌だ!」と日本語で叫びたかったが、我慢して抱き合う格好で場所を変わる。足の裏の汗が滑って転落する悪い予感が去来して、肝が冷えた。

これに懲りて、絶対好奇心にそそのかされても断る、と決意するのですが、次の日も結局またてっぺんまで登っています。「やっぱり好奇心の前には、殊勝な反省も、すぐホゴになってしまう。」というのですから、本当にスゴイ人です。

こちらの記事も人気です