日本の夏はやっぱり編み物向きではないんでしょうかね…

最近少しずつ暖かくなってきて、編物シーズンも終わりに近づいて来ているようですが、世界的に見てどうなんでしょうかね〜。ローワンマガジンなんかを見ると、春夏物でも結構分厚い感じなんですが、やはり気候が関係しているのかもしれません。日本の蒸し暑い夏では、いくら綿素材などを使ってもニットではすごしにくいですよね。透かし編みとかでなんとか涼しくしようとしても限界がありますしね。最近の地球温暖化のせいかと思うと、そうでもないようで「木綿以前の事」(柳田国男,1979,岩波文庫)を読むと、木綿以前の日本の繊維は麻だったようです。麻と言っても「一反二十円もするような上布」ではなく、「太い重い蚊帳だのたたみの縁だのに使うのと近い、至って頑丈なもの」ですが、体にフィットしないためとても涼しかったはずです。しかし綿の肌触り、色染めが容易なことなどの魅力には抗することが難しかったようで、麻の衣服は廃れていったということです。また、「ただ夏ばかりは単衣の糊を強くし、或いは打盤で打ちならして、僅かに昔の麻の着物の心持ちを遺していた」という記述があります。たしかに子供の頃の浴衣はやたらに強く糊が附けてあって、初めて袖を通して祇園さんにいったりすると帰りには首のあたりが擦れて痛くなったしたものです。そんなバリバリの浴衣もなくなりましたね。一度、木綿のニットに糊を強く掛けて固くしたものを、常夏ニット作品として発表してみてはどうでしょうかね?案外パリコレあたりで新しいブームにならないとも限りませんよ。いや、ヨーロッパの気候では駄目か〜。

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